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155. フルーツを食べても太らない理由

 前回の記事の補足をしておきたいと思います。

 

食後に起こる「血糖値の急上昇」が肥満の原因になるということはご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

炭水化物つまり糖質を体内に入れると、分解されたブドウ糖が血中に運ばれ脳、肝臓、筋肉など細胞にとりこまれます。しかし、余ったブドウ糖はインスリンによって中性脂肪に形を変え脂肪細胞に蓄えてしまいます。

 

これが太る原因と言われています。

 

そこで、インスリンがあまり分泌されない食品を食べればダイエットできると、一世を風靡したのが低インスリンダイエットの考え方です。

 

そのとき各食品の血糖値の上昇度合いを示す指標として利用されたのが【GI値】でした。

 

しかし、このGI値にも少し弱点があります。

 

そもそも、GI値とはある食品を炭水化物量50g分摂ったときの血糖値の上がり具合を、ブドウ糖を摂ったときを100の基準値として相対的な数値であらわしたものです。

GI値は70以上が高い、56〜69が中、55以下が低いとされています。

 

精白米とにんじんのGI値はどちらも80で高い部類に含まれています。

 

GI値だけでみるとにんじんは米と同じくらい太りやすい食材なんだと思いますよね。

 

ただ先ほど説明したようにこのGI値は、「炭水化物50g分食べた時の血糖値の上がり具合を数値化したもの」です。

 

白米100g中に炭水化物は37g含まれていますので、GI値の基準となる炭水化物50gを摂取するには、140〜150g必要になるわけです。これはお茶碗一杯分くらいの量なので一食に食べる量かと思います。

 

これに対しにんじんですが一本(130g)に含まれる炭水化物量約9gですのでこれを50g分に変換すると、6本分(約760g)のにんじんが必要になります。

 

一食でにんじんを6本も食べませんよね。馬じゃないんですから(笑)

 

 

このようにGI値のみで食品を選ぶと、日常的に人間が食べる量からかけ離れてしまうという弱点があります。

 

 

そこで最近主流となっているのが【GL値】。 

 

GL値とは?

グリセミック負荷と言って、「通常の一食分の常識的な食事の中で、それぞれの食材の血糖値上昇度合いを数値化したもの」です。

 

このGL値にも基準値があって、20以上が高い、11〜19が中、10以下が低いとされています。

 

GL値で精白米とにんじんを比べると...

 

精白米:47 にんじん:4となります。

 

GL値の差が一目瞭然です。

 

なぜこのようなことが起こるのかというと、たとえGI値が高い食品でも炭水化物の割合が低ければGL値は低くなるのです。

 

わかりやすい例がスイカ。

 

スイカのGI値は72と高いですがGL値は4。

 

理由はスイカのほとんどは水分で、炭水化物の割合は非常に低いため、食べても比較的血糖値の上昇は低いということになるのです。

 

ただ注意していただきたいことは、前回の記事にも書いたようにフルーツは空腹時や食前に食べることです。