最近の研究によると、高血圧や肝機能障害、骨粗しょう症や認知症といった疾患も毛細血管のゴースト化が影響しているということが分かってきています。
では、その毛細血管のゴースト化を防ぐ有効な手段はないのでしょうか?
これには、【 運動×栄養×休養 】の多面的に生活習慣を見直していかなければなりません。
まずは【 運動 】ですが、それは、筋トレです。
筋トレを行うとNO(一酸化窒素)という物質が排出され、血液の循環をよくします。負荷がかかって筋肉が収縮すると血管が押し潰されますが、負荷がなくなると筋肉が緩んで血管が広がります。そうしたポンプ作用も血液の循環を改善させ、体の隅々まで血液を行き渡らせ、毛細血管のゴースト化を防いでくれるのです。
次に【 栄養 】ですが、それは、たんぱく質です。
筋肉、骨、皮膚、爪や髪の毛だけでなく、血管もたんぱく質を材料として作られています。良質なたんぱく質を十分に摂っていくと、筋肉がついて階段も楽に上がれるようになります。また、爪は健康なピンク色になり割れにくくなるなど明らかな変化が見られます。血管は目で見て変化を確認することはできませんが、筋肉や爪と同じように丈夫な血管へと生まれ変わっていくのです。
また、NOの産生を増やす「アルギニン」というアミノ酸があります。食事で摂るとすれば赤肉、魚、鶏肉、豆、大豆、ナッツがおすすめです。
最後に【 休養 】ですが、それは、マッサージです。
血管をもむ、ほぐすなど、物理的に刺激をすることでもNOが増えて血流が良くなることが分かっています。マッサージを受けていると次第に体が温まり、血流が良くなるのが実感できる思います。
※米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部薬理学教授のルイス・J・イグナロ博士らの研究で、体内で発生するNOは血管を柔らかくして拡張する物質であることが発見されました。ルイス博士らは、1998年にこの研究でノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
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